インプラントの構造
天然の歯は『歯冠』と『歯根』からなります。
インプラントとはその『歯冠』と『歯根』を全て人工物で再現する治療法です。
インプラントは『フィクスチャー』と『アバットメント』と『上部構造』というパーツからなります。
天然歯
インプラント
一般的なインプラント治療の特徴
利点:
噛みやすい・周囲の歯を削らない・周囲の歯に負担をかけない・違和感が少ない など
欠点:
歯根膜がない・外科処置である・期間がかかる・保険がきかない など
当院のインプラント治療で使用する材料の素材
人工歯冠(上部構造):セラミック(ジルコニア等)や金属など
人工歯根(フィクスチャー):純チタン
土台(アバットメント):純チタン
この3つのパーツのうち純チタン製の人工歯根(フィクスチャー)は完全に骨の内部に入ることになります。
『チタン』の主な5つの特徴
・骨に強固に直接結合する性質(オッセオインテグレーション)
→ほぼ体重と同じ力であるかみ合わせの力を受けることができる
・体になじみやすい性質(生体親和性)
→金属アレルギーの方でも、ほとんどの場合で使用できる
・軽い(同じ大きさの銅の半分の重さ)
→骨への負担軽減
・強い
・劣化しにくい
以前はサファイヤなどをインプラントに使用したこともあるようですが、今はどのインプラントメーカーもほとんどが100%チタン製です。歯科以外でも人工関節やペースメーカーなどにも使用されている安心の素材です。
チタン表面にHA(ハイドロキシアパタイト)をコーティングした人工歯根(フィクスチャー)も日本国内では多く出回っています。
HAコーティングは、チタン表面のものよりも骨への結合のスピードが早い、と言われています(化学的に骨と結合:バイオインテグレーション)。
ただし、HAはチタンよりも感染に弱く、時間の経過とともに劣化してくると言われているので、現段階では、長期予後はHAコーティングインプラントよりもチタンインプラントのほうが良いと言っていいでしょう。
まとめると、
HAコーティングインプラント:スピード重視
チタンインプラント:長期予後重視
となります。
当院では、長期予後を重視しておりますので、チタンインプラント(ストローマン社・バイオメット3i社)のみの使用を心がけています。