インプラント治療は歯科の総合力が問われる治療法です。
インプラント治療は、インプラント単独での専門性がとても高い治療と思われがちですが、実はいろいろな分野の知識と技術の組み合わせが不可欠な治療法です。
特に、歯周病治療・口腔外科・かみ合わせの3つの分野は最重要です。
その他にもいろいろな分野の考え方が絡んでくることがあります。
言い換えると、インプラント技術だけではなく、そのいろいろな分野の考え方・技術を十分に習得していないとインプラント治療は上手くいかない、と言うことなのです。
以下の1.2.3.を満たしていない歯科医院は、非常に簡単なインプラント治療であっても絶対に行ってはいけないと当院では考えています。
1.歯周病治療の知識・技術をもっているかどうか
インプラントを支える骨や歯ぐきなどを扱う分野。
インプラントは虫歯には絶対になりませんが、インプラント周囲炎(歯でいう歯周病)には弱いです。
歯周病とインプラント周囲炎は似ていますが、圧倒的にインプラント周囲炎のほうが厄介です。
歯周病治療の知識・技術がないと、インプラント治療そのもの・インプラント周囲炎の予防・治療は絶対にできません。
歯周病治療の知識と技術は、インプラント治療には絶対必要な分野です。
歯を残すための歯周病の治療は、抜歯前提のインプラント治療とは表面上は相反する治療法ですが、実際はかなり共通点の多い治療です。
歯を抜かないことにこだわると、自然と歯周病治療に力を入れていくことになります。
南青山デンタルクリニックでは・・・
当院では、かみ合わせに重要な小臼歯を抜かない非抜歯矯正に力を入れています。歯を抜かないことにこだわっているからこそ、当然歯周病治療にも力を入れています。
インプラント治療もそのノウハウを生かして、『インプラントを長く良い状態で機能させる』ということを何よりも大切に考えて治療を行っています。
2.口腔外科の知識・技術をもっているかどうか
インプラント治療の基本技術を扱う分野。
狭く暗いお口の中で行う外科治療はとても繊細です。
ただ単に『切って縫う』というわけではありません。
例えば、切開する場所を決めるのひとつをとっても、細かい血管や顎の骨の形、硬さ、インプラントの方向など、いろいろなことを考慮して決定します。
また、難しいインプラント治療になればなるほど、口腔外科の知識・技術が必要になり、治療法に関しては日進月歩なので、日々勉強し習得に努めることが必要です。
また、現在インプラントに求められる治療レベルを考えると、歯科用CTなどの最新機器を使いこなせないと高いレベルのインプラント治療はできないでしょう。
南青山デンタルクリニックでは・・・
当院では、各種講習会に参加し、院内勉強会を行って、最新の知識や技術の習得に努めています。
また一般の歯科医院さんに先駆けて、早い時期より歯科用CTを導入しているのでこれまでの歯科用CTの撮影と分析は300ケースを越えるものとなっております(2013年5月現在)。
3.かみ合わせ治療の知識・技術をもっているかどうか
インプラント治療の仕上げの分野。
インプラント治療はいいかみ合わせを作ったり、維持していくための1つの手段でしかありません。
いいかみ合わせと言っても、色々なものがあり、3つのかみ合わせが重要と言えます。
1つ目に、患者様が食事しやすいかみ合わせを作ることが重要です。
患者様固有の歯の形態、舌や頬の粘膜などの動き、かみ合わせの相手の歯の状態など、を検討して、食物を噛むのに効率のよいかみ合わせを作ります。
2つ目に、お口全体のかみ合わせとマッチしているかどうか、これをおろそかにするとインプラントが長持ちしにくくなるばかりか、ほかの歯がダメになってくる、顎関節症で口が開きにくくなる、不定愁訴(肩こりなど)を起こしてしまうといったことになりやすくなってしまいます。
例えば、かみ合わせの診断後、このままインプラントをしては過剰に負荷がかかるため長持ちしないであろう、というときがあります(夜間にはぎしりをする方、前歯がかみ合っていない開咬の方、など)。
こういう患者様の場合、矯正治療が必要になることもあります。
3つ目に、いいかみ合わせを維持することも重要です。
維持するには定期的にかみ合わせのチェックと調節を行う必要があります。すなわち、完成後のメインテナンスも重要なのです。
はじめは良かったのに、のちのち問題が出てくるという時は、メインテナンスが不十分であることが予想されます。
この3つがそろって、はじめていい状態で長持ちして、なおかつ健康的なインプラントとなります。
南青山デンタルクリニックでは・・・
当院では、『歯科医院のの役割をつきつめていくと、いいかみ合わせをつくることに集約する。』と考えて、インプラント治療は、そのひとつの手段と位置づけています。
当院でのかみ合わせ治療は、20年以上のの歴史があり、現在でも数多くの患者様のかみ合わせ治療を行っております。
また、見た目をきれいにする矯正治療のほかにも、かみ合わせを重視した矯正治療も数多く行っております。
以上の1~3以外のものでも、インプラント治療において、よく必要になる知識・技術を挙げていきます。
4.審美歯科の知識・技術をもっているかどうか
前歯などのよく見える部分にインプラントを行っていくときに、最終のかぶせものの見た目を美しく、人工のものとわからない、よく見ても天然の歯と見間違えるくらいに仕上げることも可能です。
当院は場所柄、開業以来数多くの審美治療を行ってまいりました。
多くの方々が勘違いしていることなのですが(時には歯科医師であっても、、、)、審美治療とはただ単に前歯が白い、ということを指すのではありません。
セラミックなどの素材については当然ですが、色の種類、光の種類、などかなり多様な歯科以外の専門的な知識も必要とします。
南青山デンタルクリニックでは・・・
場所柄、これまで20年以上、数多くの審美治療の実績があるので、患者様の多様なニーズにお応えできるものとなっています。
→南青山デンタルクリニックの審美治療に関してはこちら
5.歯科技工の知識・技術をもっているかどうか
治療途中の仮歯や最終のかぶせものの、形態・材質をどんなものが適切か選択しなければいけない場合があります。
また、人工物の形態不良は見た目が悪いだけでなく、歯ぐきや隣接する歯に悪影響を与えることもあります。
歯科医師と歯科技工士とで、綿密に検討する必要があります。
南青山デンタルクリニックでは・・・
ひとつの技工物(かぶせものやつめもの)を作るのにも、歯科技工士に任せっきりにするのではなく、歯科医師と歯科技工士で症例写真を共有したり、かみ合わせの指示をしたり、患者様のご希望のイメージを伝えたり、時には歯科技工士からの提案を受けたり、より機能的で、より見ための良い技工物を患者様に提供するために、従来の歯科医院よりも歯科技工士とのコミュニケーションを大切にしています。
6.虫歯治療・歯内療法・その他の知識・技術をもっているかどうか
インプラント本体は感染に非常に弱いです。
そのためインプラント治療は、なるべくきれいな環境で行う必要がある治療法です。
きちんと適切な方法で滅菌した器具を使用するのは言うまでもなく当然のことですが、例えば大きな虫歯などが治療されないまま放置された状態や、歯ぐきが腫れたまま放置されている状態などでは、お口の中の細菌の数が、容易に増えるので、どんなにきれいな器具を使っても、手術野に感染をひきおこす可能性が高くなってしまいます。
お口の中の細菌数に影響しやすいのが、磨き残し・歯周病・虫歯・根の感染などです。
こういった治療もきちんとやらないで器具だけをきれいにしても、ほとんど意味がありません。
インプラントが感染するリスクを下げるためには、器具の滅菌をきちんと行うのと同時に、適切な治療をすることで、お口の中から細菌数を減らすことが重要です。
また、インプラント手術の術前には、お口のお掃除(クリーニング)を数回行い、術後には消毒を行うことも効果的です。
南青山デンタルクリニックでは・・・
診断や前処置などインプラント治療に入るまでの準備で、インプラント治療の成否は決まってしまうと言ってもいい、というくらいに考えています。
当院では、診断と前処置に最大限のエネルギーを注いでいます。